ビジネスモデルで忘れがちなのが、キーパートナー。顧客に対して価値を提供するにあたって、誰と手を組むかが大事です。
というのも、今やビジネスの場は、オープンなプラットフォームが提供されています。自社だけですべてを賄う必要はありません。自社では十分でないものを他社に補ってもらえば良い。
そんなことを最近、ボクの頭の中にベビロテで流れているバンドから再認識しましたよ。ちょうど今日、女性に向けたニュースメディア「モデルプレス」でアップされた記事でも、2020年ネクストブレイクバンド5選に入っているほどに注目されているのです。
そのバンドとは、「ジェニーハイ」。5人のメンバーから構成されています。しかし、メンバーが所属している芸能事務所はひとつではなく、4つ。事務所を超えて結成されたバンドなんです。
バンドメンバーは、次のとおり。プロデュースも務める川谷絵音サンがギターを、お笑い芸人の小籔千豊サンがドラムを、同じくお笑い芸人のくっきー!サンがベースを、音楽家の新垣隆サンがキーボードを、そしてロックバンドtricotのボーカルとギターを務める中嶋イッキュウさんがボーカルを担当しています。
2018年3月にデビュー曲を配信してから合計3曲のシングルを発表していたものの、ボクが彼らを知ったのは最近のこと。たまたまAmazonミュージックでランダムに流れてきた楽曲「シャミナミ」を聴いたことから、今ではAmazonミュージックやYouTubeで何度も繰り返して視聴するようになりました。
何がそこまで夢中にさせるかというと、中嶋イッキュウさんの歌声があまりにも魅力的すぎるのです。バンブーアワードがあるのなら、2019年ベストボーカリストとして表彰したいほど。可憐であり、お茶目であり、迫力もある。
中嶋イッキュウさんが元々、所属しているバンドtricotの楽曲と比較すると、また違った一面を見せている印象があります。例えるなら、m-floがいろんなアーティストとコラボしていたときに、そのアーティストの別の魅力が引き出されたような感じ。
その原因は、プロデュースしている川谷絵音サンの創り出すメロディが彼女の歌声を魅力的に響かせていることもあれば、彼女の歌声がメロディを魅力的に奏でていることもあるでしょう。いずれにしても、何度も何度も聴きたくなる楽曲に仕上がっており、また、実際にヘビロテで聴いている状態。
もちろん、ただヘビロテで満足しているワケではありません。これをビジネスモデル・キャンバスにあてはめた検討もしています。それが冒頭で話した、キーパートナーというビジネスモデルの一要素。
中嶋イッキュウさん目線でいえば、川谷絵音サンを音楽活動のキーパートナーとした結果、ファンに届く歌声に新たな表現が得られました。一方、川谷絵音サン目線でいえば、中嶋イッキュウさんを音楽活動のキーパートナーとした結果、自身が歌うときや自身の他の音楽活動とは異なる世界観を作り上げることができました。
お二人とも、これまでの音楽活動とは違う相手をキーパートナーとすることで、表現のバリエーションが増えました。ビジネスモデル・キャンバス的には、バリュープロポジションが増えることを意味します。
バリュープロポジションが増えた結果、従来とは違うファンが増えます。ちょうど、ボクのように。ビジネスモデル・キャンバス的には、顧客セグメントが新たに付け加えられたことを意味します。
このようにキーパートナーを確保できると、バリュープロポジションを増やしたり変えたりすることもできれば、顧客セグメントを増やしたり変えたりすることもできます。だから、ビジネスモデルを考えるときにキーパートナーを忘れてはいけないのです。
あなたのビジネスを飛躍させるために、誰をキーパートナーとすべきか。そんなことを考える年末年始としてはいかがでしょうか。