もし、2つのキャリアで選択を悩んでいるのなら。例えば、進学するときに、どの学校を選ぶかもあれば、就職するときに、どちらの企業を選ぶかもあります。また、転職するときに、今の仕事と次の仕事のどちらが良いだろうかと。
このときに、いろんな観点から検討しているでしょう。将来の自分にとって役立つか、自分の強みを活かせるか、期待する収入が得られるかなど、将来性や経済性といった複数の観点を基準とします。しかしながら、それでも選びきれずに悩んでしまう。
そんなとき、楽しいと感じられる方を選んでみてはどうでしょうか。
というのも、キャリアに関する対談記事を読んで、その根拠を得たからです。それは、『山口周×箕輪厚介緊急対談 「これからは“喜怒哀楽”・“モチベーション”・“好き嫌い”の時代になりますよ」 山口周が指し示す、新しい時代に評価される人間像』。
独立研究者の山口周サンは、著書『ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』(ダイヤモンド社)の中で、これからの時代に求められる思考や行動様式にシフトすることを説いています。これを読んで幻冬舎の編集者である箕輪厚介サンが感銘を受けたことから、インタビューが実現したとのこと。
そこでは、数字を競うようなビジネスのスタイルは終わったと言います。そこでの生産性には大きな差はない。これに対して、今は、共感を得るようなスタイル。価値が尺度となるため、圧倒的な差がついてしまう。
こうした話の流れの中で、次のセリフが印象深いものでした。
山口:だから喜怒哀楽を持って仕事してる人には絶対勝てないんですよね。
仕事を行う起爆剤となっているものが、お金といった経済的な要素ではなく、喜怒哀楽といった感情的な要素だというのです。こうした感情に突き動かされている人が結果を出していると。
こうした意見に基づくと、ある仕事に関わることで感情が動かされていることが良いと考えることができます。これは、感情があった次に、仕事の順番。
そこで、これを反対にしても良いかもと考えました。仕事の次に、感情。なぜなら、感情に突き動かされた仕事をした結果は、やはり、感情が動かされるから。すると、2つのキャリアで迷っているなら、そのどちらをイメージしたときに楽しいと感じるのか、その結果で判断することもできる。
もちろん、感情が動かされるのであれば、「楽しい」だけにとらわれる必要はありません。その仕事をしていることが「誇らしい」でも良いし、また、その仕事をしていると考えるだけで「ワクワクする」でも良い。そう感じられるキャリアを選ぶのです。
ここでのポイントは、その仕事をしている将来の時点で考えること。今の足元を基準として考えるのではありません。それでは発想が制限されかねない。今という時点から将来の時点へといったんシフトしたうえで、どちらのキャリアの方が感情を動かされるのか、自分の気持ちを確かめるのです。
例えば1年後に、今のキャリアのほうが楽しいと感じられるのか、それとも、別のキャリアのほうが楽しいと感じられるのか。まずは感情の揺れ方を感じ取ってみる。
ただし、感情だけで決めてしまっては、そのときの気持ちで流されてしまうことがあります。なので、楽しいと感じられる方のキャリアを歩むための根拠があるかを、その次に確かめるのが良い。必要なスキルや経験があるのか、あるいは、得ることができるのかを検討します。
そこで、何をしてもダメなら、諦めるしかありません。でも、何とかなりそうなら進むだけ。だって、楽しくなることがもうイメージできているのですから。
もっとも、進学や就職、転職に限らず、何だか楽しそうと思えることなら、取り組むほうが良い。ボクも、あることを考えてみたら、楽しくなってきましたよ。