企業の中で、不正対応を行っている部署や人たちがいます。内部監査室はもちろんのこと、子会社を管理している部署なども対応している企業もあります。
不正対応を担う部署では、会計不正を発見しようと努めています。さまざまな情報を収集し、分析を行い、現地に赴いて現場を見たり、ヒアリングをしたり、関連証憑を閲覧したりなどの手続を行います。こうして、できるだけ被害が少ないうちに検出しようと頑張っています。
こうした手続は、やはり現地に行くことが効果的。会計不正を実行している人は、それを隠蔽した資料を提出するから。普段、使っている資料や管理の仕方を確認することによって見えてくるものがある。在庫に関する会計不正なら、なおさらのこと。
ところが、新型コロナウイルスへの対応のために、在宅勤務を命ずる企業が増えています。一定期間は、出張が禁止になるどころか、本社にも出社できない状態。これでは会計不正を発見しようにも限界がある。
現地に行くことが制限されるなら、現地に行ったときに会計不正をより効果的に検出できるように知見を高めておくことが有益。例えば、『棚卸資産の不正事例分析と平時対応』というセミナーはいかがでしょうか。
これは、プロネクサスさん主催のセミナーで、講師はボク。今回で5年目の恒例モノ。今年は、2019年に生じた会計不正からピックアップした事例を解説していく予定。
えっ、セミナーなんて、在宅勤務だから受けられない、って。いやいやいや、それが大丈夫なんですよ。
現在、プロネクサスさんのセミナーは、新型コロナウイルス感染の拡大を懸念して、会場セミナーは当面中止。その一方で、WEBゼミは提供し続けています。WEBを通じて、『棚卸資産の不正事例分析と平時対応』セミナーを受けることができるのです。
もしかすると、不正事例はご自身でチェックされているのかもしれません。このブログに訪れるくらいなので、むしろ、相当に調査報告書を読み込んでいることでしょう。何十ページもあったり、100ページを超えたりする調査報告書をこまめにチェックされている。
しかし、その調査報告書をどのようにまとめているでしょうか。まさか、一つ一つの調査報告書を読んで、「大変だな~」で終わっていないハズ。何かしら自社の内部監査に活かそうと、まとめノートをはじめとした工夫を凝らしているでしょう。
このとき、まとめる項目が揃っていないと、都度、着目するポイントが変わってしまいます。調査報告書ごとに得る情報の量や質にばらつきが生じる。これでは、会計不正への対応の品質にまで影響が及びかねない。
そこで、『棚卸資産の不正事例分析と平時対応』セミナーでは、調査報告書の内容について、ボクの開発したツール「フラウド・キャンバス(Fraud Canvas)」でまとめていきます。これは、たった1枚の用紙のため、不正事例の内容を一望できるため、思い出すのも容易。今回のブログにアップしているのは、昨年のセミナーで紹介したうちのひとつ。
ちなみに、このツールは書籍化されていません。セミナーの一部は共著『会計不正~平時における監査役の対応』(LABO)によっているものの、「フラウド・キャンバス」はこの本を発刊した後に提供しているため。だから、年に1度開催するこのセミナーでしか知ることができない。
話を戻すと、調査報告書の内容は「フラウド・キャンバス」でまとめて終わりではありません。ここから、不正を防止するためのヒントを得るために、別のまとめ表が登場します。これによって、各社の再発防止策の有効性を評価することもできるようになります。
ここまでが第1部。第2部では、会計不正が起こりうる局面を6つに特定するための「業務プロセスの単純化モデル」を説明していきます。最後の第3部では、「仮説検証アプローチのクイック・バージョン」を用いて、自社で会計不正の有無を検証するための手続を立案するワークに取り組んでいきます。
リアル講座では、場の雰囲気によって短い時間内に成果物を仕上げていく体験ができます。とはいえ、ここまでの内容を2時間30分の中でこなしていくため、かなりハードな面も否めません。WEBゼミであれば、ご自身のペースで受講していけるため、より効果的となることもあるでしょう。
棚卸資産についての内部監査を行おうにも、在宅勤務で現場に出られないなら、ぜひ、この『棚卸資産の不正事例分析と平時対応』セミナーをご活用してはいかがでしょうか。申込期限が決められているため、ご注意を。