観察。物事だったり、人だったりと観察した中で、そこに何が意図されているかを考えている人がいます。ボクが所属する事務所の後輩にも、観察を行っている男子がいます。
先日も、彼がボクに質問してきました。「竹村さんの筆箱にカラフルなペンがいっぱい入っていますが、何に使っているのですか」と。
その筆箱は、今回のブログにアップした写真のとおり。ボクの筆箱に入っているのは、黒色のシャープペンシルとボールペンに、赤と青のボールペン。加えて、複数色のジェルインクボールペンに、複数色の蛍光ペン。
この筆箱を監査の現場でも立て、また、経営者ディスカッションの場でも立て、さらに、事務所でも立てている。普通に考えれば、「この人、このカラフルなペンを何に使うのだろう」と思うハズ。
ボクはメモを取るときには、基本的にマインドマップ。黒色でマインドマップを描く人もいますが、ボクは原則に忠実にカラーペンを使います。このほうが記憶に残りやすいから。議事もマインドマップでカラフルに採っているため、議事メモに起こすときにも再現性を高められます。
質問してきた後輩クンは、そんな複数のカラフルなペンをどう使っているかに疑問を持ったようで。ボクが「マインドマップで使うから」と返答しても、ボクの影響を受けて同じようにマインドマップを使っている後輩クンにとっては不思議だったようで。
そこで、マインドマップでのカラーペンの使い方を伝えました。ボクはいったん、黒以外のカラーペンひとつで、マインドマップを描きます。会議の様子をまとめたり、企業会計審議会やASBJに傍聴したときに議事の様子をまとめたりとしています。
ここで、マインドマップを描いている途中や描き終わっときに、マインドマップの枝に書いたキーワードを繋げています。議論の流れを示すこともあれば、実は同じ内容だと気づくこともあります。それらを別の括りとしたいために、蛍光ペンでぐるっと丸をつけてグループ化しているのです。
後輩クンはマインドマップを描いて終わりにしていたようで、マインドマップの枝に書いた言葉を繋げることまではしていませんでした。そんな工夫に「そんな意図があったのですね」と感想を漏らします。
続けて彼はこう話しました。「あの筆箱も、狭いスペースでもペンをすぐに取り出せるように縦置きのものにしているのですね」と。しかし、ボクはそこに意図はなく、単なる娘のお下がり。
それを告げると、「竹村さんにも意図がないことがあるのですね」と彼は残念そうにつぶやきました。ボクがいろいろな方面でこだわりを持っていることから、なすことすべてに意図があると思い込んでいたそうです。さすがに、そこまでは、ねえ。
しかし、彼の観察眼はすごい。ボクの筆箱、しかもカラフルなペンで一杯の状態を目撃している人は大勢います。にもかかわらず、誰一人、それについて意図があるはずと気づくほどに観察している人はいません。
もちろん、観察は行っていた人もいるでしょう。ボクのカラフルな筆箱には何かしらの意図があると考えていた人もいたかもしれません。ただ、それは推測にすぎない。直接、確認しない限りは、その真偽がわからない。
だから、彼が質問してきた行為そのものに大きな意味があります。その姿勢は彼のキャリアアップに大きく関連するに違いありません。一つ一つ確認することで、推測が確信に変わるため、効果があると確かめられたものだけを取り入れることができるから。
観察するかどうかで人生に影響が及ぶなら、観察しない理由はありません。ボクももっと、観察するように努めなきゃ。