オンライン会議やオンライン研修の難しい点。それは、参加者のスキルが試されるところ。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、会議や研修がオンラインで行われる機会が急激に増えました。
例えば、会議だと、以前なら、遠隔地どうしを結ぶ1対1の接続がメインでした。それが今では、近くだろうが遠かろうがN対Nの接続に変わりました。また、研修についても、講師と参加者が1対Nで接続する場合もありますが、ZoomなどではN対Nのこともあります。
このように、その場に参加する人たちが、会議システムを通じて個々にコネクトされるようになりました。このことが、オンライン上の会議や研修の進行に影響を与えていると考えています。
例えば、オンライン会議では、他の人が話しているときに、相手が黙ったままだと反応がわからない。聞いているのか、音声が途絶えているのか、反対なのか。特に通話の場合には、しぐさや振舞いが見えないため、どう考えているかがまったくわからない。
また、オンライン研修でも同じ。助け合い学習のように、グループに分かれて話し合うことがあります。自己紹介であったり、そこまでの学習の気づきであったりと。こうしたワークに慣れていないと、なおさら盛り上がりに欠ける。
ボクもこの2ヶ月の間に、何度かオンラインセミナーを受講しました。その中には、グループに分かれてのワークの時間をとるものもありました。おそらく集合してのセミナーの場合には、そうした話し合いもうまく行っていたでしょう。ところが、オンラインセミナーだと勝手が違う。
なぜだろうと考えたときに、ひとつ思い浮かんだのが、参加者のリアクション。このリアクションのスキルが試されるのです。とにかく、リアクションが薄いったらありゃしない。
おそらく、ご本人は対面と同じように接しているのでしょう。頷いたり、首をかしげたり。しかし、声を発しないと、リアクションが伝わらない。接続回線が弱いところからアクセスしている人だと、画質も悪く、カクカクと動きがち。細かな動作はそれらに隠されてしまいます。なので、まったく相手に伝わらない。
そんなときに、声を出すリアクションができると、相手に伝わりやすいし、また、場も盛り上がりやすい。「はい」という相槌だったり、「へえ」や「おお」という感嘆だったり。ときには「なるほどね~」という納得だったり、と。こうしたリアクションがあると、場は盛り上がります。少しくらい大げさなほうが良い。
実は、ファシリテーターは、こうしたスキルを身につけています。特にワークショップ形式の場では、リアクションの技が盛り上げに役立つのです。「それで?」と深堀することもあれば、「例えば?」と具体例を聞くこともあります。「ということは?」とまとめを促すこともあります。
ボクもワークショップ形式のセミナーで講師を務めるため、これらのリアクションを意識的に使うようにしています。だから、場が盛り上がるのです。
たまに、話し合えば盛り上がると勘違いして、見様見真似で話し合いをやらせる講師がいます。でも、期待したとおりにはうまく行っていないハズ。なぜなら、盛り上がるのではなく、リアクションによって盛り上げているからです。
だから、オンラインの会議や研修で盛り上げるには、リアクションを意識的に使うことが大事。オンライン飲み会でも同じ。とにかくオンラインでは、ファシリテーターのようにリアクションをとることが円滑に進行する秘訣なんです。
もし、近いうちにオンラインで誰かと話す機会があるときには、ご自身からリアクションしてみてはいかがでしょうか。思いの外、盛り上がると思いますよ。お試しあれ。