Business model

情報バラエティ番組から持続可能な仕組みを学べ

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

経営者や管理担当役員なら、情報バラエティ番組で見逃してはいけない点があります。これを理解しておくと、持続可能な組織を作れるようになれます。サスティナブルな会社を。

 情報バラエティ番組で、急遽、司会を務めていた方が降板することがあります。クールの変わり目でもなく、予定されていたものでもなく、突然に。

 普通に考えると、「番組はいつもどおりに進行するのだろうか」「代理の方はすぐにみつかるのだろうか」「最悪、番組すら中止になるのでは」と心配になります。司会者の降板によって、情報バラエティ番組がこれまでのようには継続できないのではないかと。

 しかし、冒頭に出演者が涙ながらにコメントをするシーンはあっても、それが終わると平常運転に戻ります。いつもの出演者も、代わりに司会者になった方も、以前からそんな番組だったかのように何事もなく進行していく。それが翌週も、翌々週も続いていく。

 ここで、「司会者は交代しても問題ない」と誤解してはいけません。世の中には、司会者が交代したときに、何事もなく継続できる番組と、続けられなくて中止となる番組があります。その違いに着目すべきです。

 というのも、会社でも、重要なポジションにいた方が退職されることがあります。このときに、「退職しても問題ない」と言える会社と「退職されたら大問題だ」と焦りまくる会社とがあるから。この違いが理解できているでしょうか。

 それは、仕組みで動かしているかどうか。情報バラエティ番組も、会社も、継続できる仕組みを構築し運用できていることがポイント。

 司会者が降板しても継続できる情報バラエティ番組は、司会者が誰でも進行できるような体制になっています。当日の台本が用意され、放映中もスタッフから進行の指示が出され、何を言うかまでスケッチブックに大きな字で提示される。

 このように、司会者の個性に頼っていない。もちろん、司会者のキャラクターや振舞いによって視聴者に与える印象が変わるため、個性が不要なワケではありません。ただ、それが誰かが用意してくれた土台があってこその、アクセント。

 まるで、料理を美味しく引き立てるような最後の味付けのようなもの。素材が揃っていなかったり、調理道具がなかったりしていては、味付けでカバーできませんからね。

 反対に、司会者が降板すると継続できない番組とは、その運営に司会者の色が濃いもの。プロデューサー的な役割も担っているケース。演者でもあり脚本家でもあるような存在。その人なしでは番組が成立しないため、降板されては継続できないのは当たり前。

 これを会社経営で当てはめると、個々人の能力にだけ依存している役職があると、その方が退職されると、大混乱が待ち受けています。その人と同じようなパフォーマンスを出せないため、同じレベル感での業務運営を期待したときにギャップが生じてしまう。

 だから、一定の能力がある人であるなら業務が回るように、仕組みを構築しておくことが重要なのです。会社組織としても、業務プロセスとしても、業務システムとしても、期待する結果が生み出せるような体制をデザインし、かつ、そうなるように運営していく。

 ボク自身としては、個々人のすごいパフォーマンスは会社運営を尖らせるためには必要だと考えています。ただ、業務が滞りなく回る仕組みがなければ、その人のパフォーマンスの濃淡で業務が左右されてしまう。なので、どちらか1つではなく、両方が欠かせないのです。

 そんな仕組みの有無から情報バラエティ番組を観ると、継続できる仕組みの凄さを実感できますよ。ぜひ、お試しあれ。

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