Accounting

ボクがブログで有料コンテンツを掲載し始めた理由

YouTubeの「チャンネルメンバーシップ」はご存知でしょうか。YouTubeと聞くと無料動画のイメージがあるかもしれまんが、これは有料の動画配信。

チャンネル登録者数を一定数以上有している方々が、月額料金を支払っているメンバーだけに動画を配信するもの。最近、SNSの一部で話題になっています。

コンテンツを制作するにはコストがかかります。それを誰が負担するかによって2つのモデルが挙げられます。

1つは、広告が表示されるのを我慢してコンテンツを受け取るモデル。地上波のテレビ番組がその代表。面白い番組を楽しむには、基本、コマーシャルも一緒に見なければならない。従来のYouTubeもこれ。

もう1つは、料金を支払ってストレスなくコンテンツを楽しむモデル。同じテレビでも、WOWOWやスカパーのように視聴料を支払うことで、CMが挿入されることなくコンテンツを見ることができます。最近じゃ、NetflixやHuluのように完全にCMがないものもありますね。

また、Spotifyは、これらを合わせたモデル。広告が途中で流れ、また、視聴にも一部成約がある無料モデルもあれば、広告が挿入されることなく、好きなように音楽を楽しめる有料モデルもあります。

いずれにしても、コンテンツ制作のコストという観点からは、それを誰が負担するかの違い。ユーザーなのか、広告主なのか。誰かの負担に頼るなら制約が生じるのが、この世の仕組み。

一方で、このブログ「ABCバンブー」では、これまで完全無料でコンテンツを読むことができました。自著に関係しない場合には基本的にアフィリエイトも付けていないため、ブログで収益化を目指すものではありません。その制作コストは、ブログを運営しているボクがすべて負担していました。

そうした中、先月に、拙著『ダイアローグ・ディスクロージャー KAMを利用して「経営者の有価証券報告書」へとシフトする』(同文舘出版)を発刊しました。その本では、「経理部門の有価証券報告書」から「経営者の有価証券報告書」へとシフトすることを説いています。

2020年7月に入ってすぐの投稿「ついに判明、KAMの早期適用の状況」では、KAM(監査上の主要な検討事項)の早期適用の状況をお知らせしました。また、その事例を分析している中で、進行している年度のまさに今、KAMを軸として財務報告を準備しておく必要性を感じています。

そこで、進行している年度で、遅れを取ることなく「経営者の有価証券報告書」に対応していく考えや方法を知ることができるコンテンツを、「財務報告の流儀」シリーズで投稿を始めた次第です。

ところが、無料でコンテンツを提供すると、さまざまな想いの方の目に触れることにもなります。「財務報告の流儀」シリーズでは、実際の事例に基づき財務報告のあり方を述べているため、野次馬のような人がいると話したいことも話せなくなります。

すると、「財務報告の流儀」というコンテンツは、経営者の想いを表現する有価証券報告書を創り上げていきたい人にだけ向けて発信すべきです。そうした方々が安心して集えるコミュニティが必要なんです。具体的には、こういう悩みや不安をもつ方々に向けた場です。

金融審議会のディスクロージャーワーキング・グループによる報告書「ディスクロージャーワーキング・グループ報告 -資本市場における好循環の実現に向けて-」では、有価証券報告書の作成には経営者の早期からの関与が重要だと指摘されています。では、どうやって関与していけばよいか。

また、期末になってから、有価証券報告書の記述情報を作成しようとしても限界があります。それは2020年3月期の有価証券報告書で痛感しているはず。では、どのように準備していけばよいか。

加えて、2021年3月期からは、会計上の見積りに関する注記も強制適用となります。一方で、KAMが見積り項目を扱うことが多いことが知られています。では、これらの関係をどのように考えていき、また、対応を図っていけばよいか。

こうした悩みや不安を解消すべく、「財務報告の流儀」シリーズでは、次のようなコンテンツを提供していきます。

まず、KAM早期適用の事例を1社ずつ解説していきます。全体的な統計を知ることも傾向を理解するうえで必要ですが、実務は細部に宿ります。1社ずつ、1つずつKAMを分析していくことが有益です。書籍や専門誌の解説を待つには時間を要するため、間に合わない可能性もあります。

次に、KAMのみならず、関連する開示までカバーしています。KAMの分析なら監査人しか関係がありません。企業の方々にとっては知識は広まっても、財務報告に直接役立つ情報にはなりえない可能性もあります。そこでKAMを軸として、財務諸表にどう注記されていたか、また、有価証券報告書の記述情報はどう開示されていたかまでカバーして解説しています。

さらに、監査人とのKAM協議でのポイントもお伝えしています。2021年3月期に係る有価証券報告書で、KAMが報告された監査報告書が掲載されます。そのため、監査人からKAMとなりえる項目について協議をしたり、KAMのドラフトを提示されて今後、具体的な協議を行ったりとしていく企業もあるでしょう。まさに、そのタイミングで必要となる検討項目をお伝えしています。

このような他では伝えられていない情報をお話しするため、コミュニティの熱量を高めたまま維持したい。だから、野次馬根性のような人や情報だけ集めて行動しない人が簡単に参加することのないよう、「財務報告の流儀」を有料で提供することにしました。ある意味、VIPメンバー向けた解説として位置づけられます。

その料金は、ワンコインとして設定しました。そう、500円です。カフェで、なんとかフラペチーノを味わうような感覚で、同じ想いの人たちに集ってもらえたら嬉しいです。きっと、書籍『ダイアローグ・ディスクロージャー』を実践していくヒントが得られるものと期待できます。

ちなみに、この記事を投稿するまでに、3つの記事が投稿されています。
財務報告の流儀 Vol.001
財務報告の流儀 Vol.002
財務報告の流儀 Vol.003

これらの冒頭には、どんな事例を取り上げているのか、どんな論点が説明されているのかが示されています。ここまでは無料です。ちらりと見て、ピンと来たものがありましたら、ワンコインで味わってください。(注:無料の「財務報告の流儀(お試し版)」はこちらから。)

KAMを利用して「経営者の有価証券報告書」へとシフトするには、書籍『ダイアローグ・ディスクロージャー』がお役に立てます

 

P.S.

この解説がベースになった書籍『事例からみるKAMのポイントと実務解説―有価証券報告書の記載を充実させる取り組み―』(同文舘出版)はこちら。

 

 

財務報告の流儀 Vol.003 綜合警備保障、太陽前のページ

財務報告の流儀 Vol.004 綿半ホールディングス、太陽次のページ

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