文豪ゲーテが開示責任者なら、財務報告の流儀を求めたことでしょう。「一つのことが万人にあてはまりはしない。めいめい自分にふさわしい流儀を求めよ」と話していたのだから。
そこで、KAM(監査上の主要な検討事項)を早期適用した事例から、財務報告のあり方について考えていく連載が、この「財務報告の流儀」シリーズ。今回は、次の事例を取り上げていきます。
(1)事例
証券コード 4502
会社名 武田薬品工業㈱
業種 医薬品
開示書類 有価証券報告書
決算日 2020年3月31日
監査法人 有限責任あずさ監査法人
会計方式 IFRS基準
(2)早期適用によるKAM
連結財務諸表に対するKAM
・米国におけるメディケイド、メディケア及びコマーシャル・マネージドケア・プログラムに関するリベートの引当金の見積り
・取得対価の配分の完了に伴って遡及修正された、Shire社の買収によって取得した製品に係る無形資産の取得日時点における公正価値の見積り
個別財務諸表に対するKAM
・繰延税金資産の回収可能性に関する判断
この事例から学ぶべきポイントは、次の3点です。
・企業の開示の限界を判断する資料
・有価証券報告書提出会社の開示内容のコントロール
・意義のある単体KAMの内容とは
同社の有価証券報告書をご準備いただき、実際の開示を確認しながら、財務報告のあり方を学んでいきましょう。いかに財務報告を良くしていくかに真摯に向き合っている人だけ、この先にお進みください。(注:無料の「財務報告の流儀(お試し版)」はこちらから。)
P.S.
この解説がベースになった書籍『事例からみるKAMのポイントと実務解説―有価証券報告書の記載を充実させる取り組み―』(同文舘出版)はこちら。