Career

あなたは素手で監査法人の採用面接に挑みますか

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

先日の2021年2月16日に、会計士試験の合格発表がありました。合格発表の後に待ち受けているのは、採用面接。

2020年8月7日に4大監査法人が連名で公表している「大手監査法人 2020 年度の採用活動に関するお知らせ」によれば、2021年2月19日(金)から面接が始まっています。内定の通知は、2月26日(金)13時から、とのこと。

世間では、「売り手市場だから問題ない」とか「元気があれば大丈夫」とか、随分とテキトーなことを話しているのを見かけます。でも、これには違和感を覚えます。

誰の話を信用するか

というのも、ボクは何度か、採用面接を行っていたから。しかも、パートナーという立場で。監査事務所として、この人を向かい入れるかどうかを判斷していました。

また、監査法人の外でも、キャリアに関する集まりに顔を出していたため、監査業界以外の状況も見聞きしています。さらに、海外のキャリアに関する情報も仕入れています。

そんな観点から、試験合格者の面接について、思うところがあります。それは、内定が出なかった人だけではなく、内定が出た人も関係がある話。

面接官の2つのタイプ

さきほど、テキトーな発言を紹介しました。もっとも、それが事実のこともあります。なぜなら、面接する人には2つのタイプに分かれるから。

1つ目のタイプは、ゆるい人。試験合格者からすると、楽勝となるケース。

このタイプが面接官だと、売り手市場や買い手市場を問わず、また、試験合格者が元気であろうがなかろうが、雰囲気で合否を決めてしまいがち。

テキトーな発言をしている人は、面接官がこちらのタイプであった可能性があります。その場合、こうした人の発言にあなたの人生を賭けるのは危険すぎます。面接官がこのタイプかどうかは、コントロールできないから。

だから、採用面接の戦略としては、もうひとつのタイプの面接官を想定しておくべき。

採用面接の戦略

2つ目の面接官のタイプは、根拠をもって採用の可否を判斷する人。その判断基準は、人によって異なります。ただし、中途採用ではないため、いきなり即戦力を求めるような基準ではありません。

よく挙げられる基準は、信頼性。法人内で一緒に働くときにも、現場に連れて行くときにも、信頼性は欠かせません。といっても、信頼性という言葉では、まだまだ人によって解釈が分かれます。これでは戦略が立てられません。

そこで、この信頼性をさらに具体化していきます。それは「準備」。採用面接にあたって、どこまで準備してきたか。この準備があまりにも弱い人が少なくない。

おそらく、一般企業で採用されるために多くの人が準備しているであろうことが、できていない。それでは、武器を持たずに戦うようなもの。

ボクも試験に受かった当時を振り返ったときには、決して人にモノをいえる資格はありません。いろいろと経験を積んだ身だからこそ、少しは採用面接の戦い方がわかるため、共有したいのです。

面接でチェックされていること

面接で質問されることの多くは、ちょっと準備すれば、容易に想定できます。その返答の状況がチェックされています。

何も、気の利いたことを話さなければならない訳ではありません。笑いをとる必要もありません。事前に準備してきたことを話せば良い。

こうした準備は、採用された後の実務で役立ちます。例えば、クライアントのことを調べることもあれば、自分が担当する業務を理解しておくこともあります。また、当日に必要となる資料などを用意しておくこともあるでしょう。

このように準備が行える姿勢は、信頼につながります。だからこそ、面接のための準備が不可欠なのです。反対に、準備する姿勢がなく内定をもらえた人が、面接官が1つ目のタイプだった場合、実務に入って苦労します。

準備するのは、たったの2つ

面接の準備といっても、そう多くはありません。ボクがオススメの本は、作家の中谷彰宏サンによる『面接の達人 バイブル版』(ダイヤモンド社)。これによれば、たったの2つ。

ダイヤモンド・オンラインに掲載されている記事に、それらが紹介されています。その第1回目がこちら。

「面接では、2つのうち1つを言うことができればトップで通る。」

せめて、この本を読むくらいの準備はあって良い。エッセンスは2つだけだから、想定される質問に準備するのは難しくはないハズ。たとえ明日が面接の日であっても、十分に間に合います。

あなたの活躍を楽しみにしています。

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