文豪ゲーテが開示責任者なら、自社に固有の情報を記載したでしょう。「一つのことが万人にあてはまりはしない。めいめい自分にふさわしい流儀を求めよ」と話していたのですから。
そこで、早期適用されたKAM(監査上の主要な検討事項)の事例から、財務報告のあり方を考える連載が、この「財務報告の流儀」シリーズ。前回から、2020年3月期以外の事例を取り上げています。
今回は、2つのKAMに共通するキーワードと、企業の開示が充実した背景がポイントです。
(1)事例
- 証券コード 9450
- 会社名 ㈱ファイバーゲート
- 業種 情報・通信
- 開示書類 有価証券報告書
- 決算日 2020年6月30日
- 監査法人 有限責任あずさ監査法人
- 会計方式 日本基準
(2)早期適用によるKAM
連結財務諸表の監査報告書に記載されたKAM
- レジデンスWi-Fi事業における初期導入サービスに係る売上高の期間帰属の適切性の検討
- 通信設備の実在性及び除却処理の網羅性の検討
個別財務諸表の監査報告書に記載されたKAM
- レジデンスWi-Fi事業における初期導入サービスに係る売上高の期間帰属の適切性の検討
- 通信設備の実在性及び除却処理の網羅性の検討
(ただし、連結のKAMと同一内容であるため、記載が省略されている。)
(3)今回の事例から学ぶべきポイント
- KAMによって企業の開示が充実した可能性あり
- 不正リスク対応と金額的な重要性
- 疎通確認とそれへの対応手続
ここから先の解説は、野次馬的に重箱の底を突くような人には向いていないため、有料コンテンツとしてハードルを設けています。いかに財務報告を良くしていくかについて真摯に向き合っている人に限り、ご購読ください。
(注)2020年3月期の早期適用事例の分析については、書籍『事例からみるKAMのポイントと実務解説―有価証券報告書の記載を充実させる取り組み―』という形でまとめております。