こんにちは、企業のKAM対応のスペシャリスト、竹村純也です。
今日は、KAM(監査上の主要な検討事項)のセミナーを収録してきました。それは、株式会社プロネクサスさん主催の「企業の開示に活かすKAM実務対応」です。3時間、みっちりと話してきました。
セミナー終了後、ご担当の方から、こんなお声がけをいただきました。
セミナー担当者のお声がけから読み取る2つのポイント
「このボリュームの資料を、3時間ぴったりに話し終えるなんて、凄いですね」とお声がけいただきました。ここには、2つのポイントがあります。
1つ目のポイントは、時間どおりに終えること。これは、ボクの信条です。3時間という約束のもとでセミナーに申し込んでいただいているため、それ以上の時間をかけてはダメ。
特に会場に集まっていただくときには、その後のご予定もあるため、終わりの時間は何としても守ることが必須。ビジネスパーソンとして最低限のマナーです。
セミナー資料のボリュームに隠された秘密
それより、気づきがあったのは、2つ目のポイントです。資料のボリューム。他の主催者にも、これだけ作り込むのは凄い、と驚かれたことがあります。確かに、今日のスライドの総数は、114枚。表紙や仕切りがあるとはいえ、ボリュームが多いでしょう。
このボリュームも、信条があってのこと。
しっかりとした説明が残っていなければ、後日の振り返りに使えないから。会計や経理といったジャンルを扱っているため、セミナー受講者としても、その場ですべてを理解するよりは、後日の実務に活かすことに主眼を置いています。
そのため、簡素な箇条書きだけの資料ではなく、教科書のように説明が文章で残されている資料のほうが役立ちます。受講者に話をメモさせる教授法もあるかもしれませんが、そのメモが間違っていては意味がなくなります。講師として、間違った会計が行われることは本望ではありませんからね。
簡素な箇条書きでは得られない効果
また、しっかりと説明を残していると、スライドの文字をすべて読み上げる必要がなくなります。つまり、それ以上の説明を加えることができるのです。セミナー資料でも説明を行っているにもかかわらず、さらに追加した説明をその場の状況に応じて行えるのです。
それは、無観客の収録でも同じ。今日も、新型コロナウイルス感染症の感染対策のため、収録部屋でひとり、3時間、話し続けました。受講者が前に座っていなくても、自分で話をする中で、「ここは、もう一歩、解説を加えよう」「この例えを追加するとわかりやすくなる」とアドリブが飛び出します。
このアドリブが、思いの外、ヒットすることがあります。自分で話しておきながら、「この説明、いいね」と自画自賛することもあります。今日も、絶妙のアドリブがあったのですが、メモしなかったため、すっかり忘れてしまいました。でも、必要なときに引き出せるから、大丈夫。
コンテンツを充実させるワン・ステップ・ビヤンド
で、気づいたのは、資料で解説を深めておくと、セミナーで解説するときに、それより先に進んだ説明ができる、ってこと。資料を作成しているときには、「これ以上、説明を加えることはない」と思っていても、いざ、セミナーで話すときには、思ってもみない説明ができるのです。
これは、コンテンツが充実していくことを意味します。こうして追加説明した内容を次回のセミナーや別の執筆に活かせるから。もしも、簡素な箇条書きだけの資料だったら、ここまでコンテンツが広がらなかった可能性があります。きっと、そういう経験を何度もしているため、無意識にセミナー資料をしっかりと作り込むようになったのかもしれません。
やはり、言葉では、その場で消えていきます。文字にして残さなければ、後でキャッチすることができません。あなたの貴重なアイデアも、言葉だけでは宙に消えてしまって良いのでしょうか。
P.S.
KAMについて、一体、何をセミナー資料に記載し、何をアドリブで付け加えたかに興味があるなら、一度、視聴してみてはいかがでしょうか。WEBセミナーのため、視聴期間中は何度も繰り返して動画を再生できますよ。
P.P.S.
2020年3月期に早期適用されたKAMについて分析した結果は、拙著『事例からみるKAMのポイントと実務解説』にてご覧いただけます。まずは、こちらの紹介ページをご確認ください。