FSFD

サイバーセキュリティを有報のサステナビリティ開示とするなら

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

サイバーセキュリティを有報のサステナビリティ情報として開示する場合、一体、どのような開示が期待されているのでしょうか。

金融庁から公表されている「記述情報の開示に関する原則(別添)-サステナビリティ情報の開示について-」(注1)には、サステナビリティ情報に含まれる事項が例示されています。そこには、サイバーセキュリティやデータセキュリティも挙げられています。

 

ここで、なぜ、こうしたデジタルセキュリティがサステナビリティ情報に含まれているかについて疑問を持たれたかもしれません。確かに、一般的に思いつくのは、気候変動を始めとする環境面であったり、人的資本に関連する社会面であったりとします。

しかし、ESGのGつまりガバナンス面では、デジタルセキュリティが極めて重要な位置づけとなる企業があります。ビジネスそのものがデジタルのシステムやプロセス、データに依存している場合には、これらのセキュリティが企業の持続可能性に直結するからです。そう考えると、サステナビリティ情報として開示する事項としてふさわしいことが理解できます。

 

ところが、いざ、デジタルセキュリティについてサステナビリティ情報として開示しようとするときに、参考にできる情報がないことに悩むかもしれません。そこで、参考となる海外の文献をご紹介します。たとえ、サステナビリティ情報として開示しない場合であっても、事業リスクでサイバーセキュリティやデータセキュリティを挙げているときには、その開示に役立つはずです。

 

投資家の期待に沿ったサステナビリティ開示を書くために前のページ

「ガバナンス」開示の海外事例-コミュニケーションの経路次のページ

関連記事

  1. FSFD

    TCFDのファイナル・レポートに触れていないこと

    2023年10月12日、TCFDが最後のステータスレポートを公表しま…

  2. FSFD

    16分の1の時間投資でSSBJ基準(案)を理解する

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は3つのサ…

  3. FSFD

    監査の指摘原因はサステナビリティ開示とのコネクティビティ

    サステナビリティ開示で注意すべきは、なんといっても、「コネクティビテ…

  4. FSFD

    産業横断的指標の物理的リスクはどう開示されているか

    気候変動に関する企業の開示が世界的に重要性を増す中、多くの企業が具体…

  5. FSFD

    TISFDが描く未来:不平等解消に向けた次世代の報告フレームワーク

    2024年9月、企業や金融機関が「不平等」と「社会」に関する影響を理…

  6. FSFD

    語る企業と沈黙の監査人:サステナビリティ開示時代の会計監査の致命的欠陥

    国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)や日本のサステナビリティ基…

  1. Accounting

    セミナーの予告編をYouTubeにアップしました
  2. Accounting

    収益認識対応を進める秘訣
  3. Accounting

    KAM強制適用の第1号が、ついに登場
  4. Accounting

    社長、その財務報告では埋没します
  5. Accounting

    寄稿「有報『監査役監査の状況』のヒントも? 『監査人の交代』の英国KAM事例」
PAGE TOP