FSFD

気候変動が財務報告制度に組み込まれるまでの座組

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。)  

ISSBによるIFRSサステナビリティ開示基準を的確に理解するためには、何を念頭に置いて設定されたかを知っておくべきです。それは、基準には書き込まれていません。そのため、基準化に至る背景を遡る必要があります。

IFRSサステナビリティ開示基準には、4つの柱から成るコア・コンテンツがメインとなっています。これは、S1基準の「結論の根拠」におけるBC3に記載のとおり、TCFD提言に基づいたものです。つまり、気候変動の対応で念頭に置かれたものが、この基準にも引き継がれているのです。

気候変動の対応で念頭に置かれたものが、一体、何であるかを知るには、基準が確定するまでの座組、すなわち、重要な役割を果たした組織とその活動内容について整理することが必要です。その役割は、次の4つに区分できます。

  • プロポーザー(proposer)
  • クリエイター(creator)
  • トランスフォーマー(transformer)
  • インテグレーター(integrator)

このような大局観を持つことで、気候変動の対応に共通して念頭に置かれたものがわかります。そこで、今回の記事では、これらの役割について解説します。なぜ、IFRSサステナビリティ開示基準が財務報告の中に取り込まれたかが腑に落ちるでしょう。

 

気候変動の「戦略」開示は、財務諸表にインパクトをもたらす前のページ

自然関連のサステナビリティ開示を巡る座組次のページ

関連記事

  1. FSFD

    サステナビリティ開示のワークショップ型セミナーの開催

    2024年2月19日、IFRS財団から、サステナビリティ開示に関する…

  2. FSFD

    「予想される財務的影響」への定性的開示戦略

    サステナビリティ開示で困難な領域のひとつは、財務的影響でしょう。特に…

  3. FSFD

    確定SSBJ基準を徹底解説する先駆的セミナーを開催します

    ■企業価値向上の鍵となる新基準を、いち早く理解する2025年…

  4. FSFD

    サステナビリティ情報の開示に求められる“編集力”という視点

    サステナビリティ情報の開示が制度化されつつある今、最も注意すべき点は…

  5. FSFD

    「サステナビリティ関連のリスク及び機会」の開示情報の選び方

    ISSBのS1基準では、サステナビリティ開示を行う手順が定められてい…

  6. FSFD

    見逃せない!サステナビリティ情報開示の4ステップとは

    サステナビリティ情報開示を進める際には、バリューチェーン全体を考慮す…

  1. Accounting

    財務報告の流儀 Vol.025 三菱地所、EY新日本
  2. Accounting

    収益認識アンケートの結果レポートは全53ページ
  3. Accounting

    財務報告の流儀 Vol.003 綜合警備保障、太陽
  4. Accounting

    財務報告の流儀 Vol.028 四国電力、トーマツ
  5. Accounting

    有報の作成者に、1つ、お願いがあるのですが。
PAGE TOP