FSFD

サステナビリティ開示基準についてSSBJ内で揺れている論点

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

サステナビリティ開示の国内基準の審議では、まだまだSSBJ内で意見が割れています。

公開草案の公表は、2024年3月末までを目標として設定されています。目標に間に合わせるためには、そろそろ公開草案の文案を確定させなければなりません。しかし、いくつかの論点では委員の意見がまだ割れています。そのため、2024年1月25日の審議では、「暫定合意のための意思確認」が実施されました。これは「サステナビリティ開示基準の開発に係る適正手続に関する規則」第14条第5項に基づく手続です。

暫定的とはいえ、これで公開草案の方向性が決定されると思いきや、そうではありませんでした。一部の論点では、微妙な差で意見が割れたものがあったためです。公開草案がリリースされた際には、暫定合意に至ったものも含めて、これらの論点に多くのコメントが寄せられることが想定されます。そのため、今、この内容を知っておくと、公開草案の内容をより理解しやすくなるとともに、コメント提出の検討時間をより多く確保できるようにもなります。

そこで、今回の特別記事では、なかなか聞き慣れない言葉かもしれない「暫定合意」について説明したうえで、意見が割れていた論点がどのような暫定合意に至ったのか、あるいは、至らなかったのかについて解説していきます。

 

気候会計への拒絶仮説を指摘した実務エッセイ前のページ

無料で手に入る「サステナビリティ関連情報の作成ワークシート」次のページ

関連記事

  1. FSFD

    ISSB基準とESRSのガイダンス解説、日本企業が直面する国際基準の課題

    サステナビリティ開示への実務では、ISSB基準やSSBJ基準だけに対…

  2. FSFD

    実務対応基準の必要性浮上:混乱回避のためのSSBJの対応

    サステナビリティ開示の重要な論点がこれほどまでに詰まっているとは、驚…

  3. FSFD

    日本企業が初の「部分的」評価を獲得!2024年版の気候会計・監査ハイブリッド評価

    ついに、2024年版の最新「気候会計・監査ハイブリッド評価」が発表さ…

  4. FSFD

    サステナビリティ関連のリスク及び機会の3つの識別プロセス

    2023年6月、ISSBは、2つのIFRSサステナビリティ開示基準を…

  5. FSFD

    SSBJ基準の「二重アプローチ」と今後の対応策

    サステナビリティ基準委員会(SSBJ)の審議は、3つのサステナビリテ…

  6. FSFD

    見逃せない!サステナビリティ情報開示の4ステップとは

    サステナビリティ情報開示を進める際には、バリューチェーン全体を考慮す…

  1. Accounting

    イギリスEU離脱問題から占うIFRSの行方
  2. FSFD

    なぜ、サステナビリティ開示を財務報告で行うのか
  3. Accounting

    本は「はじめに」が9割
  4. Accounting

    未適用の注記から考える、将来の会計や開示
  5. Accounting

    会計士協会のKAMトライアルの真の性格
PAGE TOP