サステナビリティ開示の国内基準の審議では、まだまだSSBJ内で意見が割れています。
公開草案の公表は、2024年3月末までを目標として設定されています。目標に間に合わせるためには、そろそろ公開草案の文案を確定させなければなりません。しかし、いくつかの論点では委員の意見がまだ割れています。そのため、2024年1月25日の審議では、「暫定合意のための意思確認」が実施されました。これは「サステナビリティ開示基準の開発に係る適正手続に関する規則」第14条第5項に基づく手続です。
暫定的とはいえ、これで公開草案の方向性が決定されると思いきや、そうではありませんでした。一部の論点では、微妙な差で意見が割れたものがあったためです。公開草案がリリースされた際には、暫定合意に至ったものも含めて、これらの論点に多くのコメントが寄せられることが想定されます。そのため、今、この内容を知っておくと、公開草案の内容をより理解しやすくなるとともに、コメント提出の検討時間をより多く確保できるようにもなります。
そこで、今回の特別記事では、なかなか聞き慣れない言葉かもしれない「暫定合意」について説明したうえで、意見が割れていた論点がどのような暫定合意に至ったのか、あるいは、至らなかったのかについて解説していきます。