FSFD

最新のSSBJ・ISSB基準動向を限定配信で確実にキャッチアップ

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

企業のサステナビリティ開示は、単なる基準への適合ではなく、広範かつ戦略的なアプローチが求められます。特に多様なステークホルダーとの対話を通じて開示内容を進化させることの重要性は増すばかりです。これは私が提唱してきた「ダイアローグ・ディスクロージャー」だと、2025年1月22日開催したセミナーで再確認しました。

2023年6月、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は2つのIFRSサステナビリティ開示基準を公表しました。これらは国際的な共通言語として機能することで、グローバルにおける開示の透明性向上を目指しています。しかし、これらの基準は静的な存在ではありません。ISSBは、企業が基準に適応しやすくなるよう教育的資料や移行支援を提供するとともに、基準自体を改訂する準備も進めています。このような動きは、基準の信頼性を高める一方で、企業にとっては常に最新の動向を把握し、かつ、それに適応するための努力を求められる側面もあります。

一方で、日本国内では、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が2024年3月に公開草案を発表し、また、2025年3月末までに確定を目指しています。この過程では、公開草案からの変更や意見募集を経て、基準内容がより精緻化されています。ISSB基準を参考にしながらも、日本特有のビジネス環境に適応したアプローチが模索されています。この動向を踏まえると、国内外の基準を理解することが企業にとっての重要な課題であると言えるでしょう。

2025年1月22日に開催した「《ここでしか学べない》SSBJ基準とISSB動向のアップデート・セミナー」では、これらの動向を包括的に整理しながら、受講者に最新情報を提供しました。しかし、このような知識を得るだけでは、企業が直面する多様なステークホルダーの期待に応えるための十分な対応にはなりません。実際、セミナーの質疑応答を通じて、開示戦略におけるさらなる課題が浮き彫りになりました。

財務報告におけるサステナビリティ開示だけでは企業の説明責任は十分に果たせません。なぜなら、ISSB基準やSSBJ基準は、主に投資家を対象としたシングル・マテリアリティの枠組みに基づいているからです。これは、環境・社会が企業の財務パフォーマンスに与える影響を中心に据えたものです。

一方、現実のビジネス環境では、投資家以外のステークホルダーも重要な役割を果たしています。従業員、顧客、地域社会、規制当局など、幅広いステークホルダーが存在し、また、それぞれに異なる期待があります。こうした多様な期待に応えるためには、シングル・マテリアリティでは限界があります。

そのため、ダブル・マテリアリティの概念が重要な役割を果たします。このアプローチでは、企業が社会や環境に与える影響をも評価対象に加えることで、企業とその周囲の関係性を包括的に捉えます。例えば、ESRS(欧州サステナビリティ報告基準)やGRIスタンダードは、ダブル・マテリアリティを基盤とした開示を促進しています。この視点に立つことで、企業は多様なステークホルダーの期待に応えるだけでなく、社会的な信頼を構築することが可能となります。

サステナビリティ開示において、最も重要な問いは「誰に、何を、どのように伝えるべきか」という点です。この問いに答えるためには、単なる基準の適用ではなく、ステークホルダーとの継続的な対話が不可欠です。これを具現化するのが「ダイアローグ・ディスクロージャー」の概念です。

「ダイアローグ・ディスクロージャー」とは、単なるデータの提供ではなく、経営者の想い、すなわち企業の理念や戦略を伝えることで、投資家やその他のステークホルダーとの建設的な対話をより促進するプロセスを指します。具体的には、次のサイクルを繰り返します。

  • 基準に基づいた初期開示:国際基準や国内基準に沿った開示を行い、ステークホルダーに対する透明性を確保します。
  • ステークホルダーとの対話:開示内容に対する期待や懸念について対話することで、双方向のコミュニケーションを構築します。
  • 改善と充実:対話を通じて得たインサイトを次回の開示に反映させながら、開示内容の進化を図ります。

このようなプロセスを通じて、企業は単なる情報提供を超えた、価値ある開示を実現することができます。セミナーの質疑応答では、「ダイアローグ・ディスクロージャー」という言葉は出していないものの、サステナビリティ開示が動的で継続的なプロセスであることを説明しました。

サステナビリティ開示の重要性が増す中、最新の動向を把握したうえで実務に適用するスキルは、これまで以上に求められています。しかし、国内外の開示基準を包括的に学べる機会は非常に限られています。今回のセミナー「《ここでしか学べない》SSBJ基準とISSB動向のアップデート」は、まさにそのニーズに応えるために設計されたものです。

3時間にわたるこのセミナーでは、国内外のサステナビリティ開示基準について最新情報を網羅的に解説しました。計103ページにも及ぶ詳細なスライドを活用することで、実務に直結する知識が得られます。次の構成で、基準の適用や将来像の理解を深められます。

Section01:ISSBによる教育的資料

  • 教育的資料の概要
  • ISSB基準の適用支援
  • 他基準との適用関係の整理

Section02:ISSBの移行支援グループの見解

  • 移行支援グループの概要
  • 2024年9月までの審議状況
  • ISSB基準が修正される可能性

Section03:SSBJ確定化に向けた審議状況

  • 審議の方向性
  • 適用基準の変更予定
  • 開示基準の変更予定

このセミナーは、特にISSB基準やSSBJ基準の最新情報をいち早くキャッチアップしたい方に最適です。基準の変更が企業の実務に与える影響を正確に理解することで、競争優位性を高める足掛かりとなるでしょう。

セミナーの開催前から、「後日視聴できる形で内容を確認したい」という要望が寄せられていました。このニーズに応えるため、一定期間限定でのアーカイブ配信を準備中です。視聴期間が限定されている理由は、サステナビリティ開示基準やその運用に関する情報が日々更新されているためです。

最新情報を学び、競争優位を確立するための第一歩として、このアーカイブ配信をぜひご活用ください。もちろん、視聴する、しないを選択するのは、あなたです。

2025年1月ISSB会議が注目するGICS使用要件前のページ

その後発事象の注記に、取締役会の決議日はいりません次のページ

関連記事

  1. FSFD

    初めて取り組む場合のサステナビリティ開示の選び方

    初めてサステナビリティ開示に取り組む場合、何を開示するのが適切かにつ…

  2. FSFD

    2023年公表の「気候会計・監査ハイブリッド評価」

    企業による気候関連の開示状況は、評価されています。しかも、その企業の…

  3. FSFD

    アメリカの企業と投資家とで異なる気候会計の認識

    気候変動の影響を考慮した会計や監査について、欧州と米国との間で大きな…

  4. FSFD

    リスクと機会に区分したガバナンス図の海外事例

    ISSBのS2基準における「リスク管理」では、機会(opportun…

  5. FSFD

    「現在の財務的影響」で短期的リスクはこう開示される

    2024年5月22日、IFRS財団はサステナビリティ関連財務情報の開…

  6. FSFD

    電力大手の最新サイバーセキュリティ開示をISSB基準で深掘り

    デジタル化が進む現代社会において、企業にとってサイバーセキュリティは…

  1. Accounting

    洗練されたJICPAのスライド資料から学ぶべきこと
  2. Accounting

    アニュアルレポートの探し方のトリセツ
  3. FSFD

    第三者予測から炭素強度まで:進化する「気候監査」の全貌
  4. FSFD

    反対票が投じられた企業の「気候会計・監査ハイブリッド評価」対応
  5. Accounting

    ASBJに提案「基準開発の予見可能性の高め方」
PAGE TOP