SNSを使いこなす企業と、使いこなせない企業。その違いは、明らか。その担当者がコミュニケーションすることに、マメかどうか。手間をかけることを惜しまないことが大事。要は、コミュニケーション能力。
SNSは、コミュニケーションそのものではなく、コミュニケーションのためのツールにすぎません。電話で伝えるのか、メールで伝えるのか、Twitterで伝えるのか。どのツールを使うかの違いであって、コミュニケーションそのものではない。
そこを履き違えると、ツールを使えば一気に告知できると勘違いしてしまう。SNSが身近ではない人が、社内でSNS活用の企画を持ち出すときには特に注意が必要です。
先日も、知人の会社で、上司のオジサンがそんな勘違いをしていたと聞きました。要約すると、こんな感じ。
A事業部では、Twitterで活発に告知している。B事業部でもTwitterを使って告知していきたいが、あまり手間をかけたくない。だから、A事業部のTwitterのアカウントに相乗りすることで効率化したい。それが全社的な負担を減らせる、と。
やはり、この企画を持ち出したのは、Twitterをやっていない人。さらにひどいのが、A事業部のツイートも見たことがなかったそうです。わからないがゆえに、「効率」を持ち出したのでしょう。そんな状態で企画を実行に移しても、失敗するのは間違いない。
コミュニケーションをしようとするときに、コミュニケーションそのものに「効率」を持ち出すなんてありえない。話し手だけの効率を優先して、聞き手が興味もない話を聞かされるのは迷惑極まりない。そんなコミュニケーションに付き合わされる相手に失礼です。
そんな知人の話を聞いた後に、Twitterを見ていたら、素敵なツイートが流れてきました。つぶやいていたのは、「みちょぱ」の愛称で知られる、ファッションモデルの池田美優サン。テレビ番組に出ていない日はないんじゃないかと思うほどに、売れっ子中の売れっ子。その彼女のツイートが、これ。
最近ついったーよりインスタのが色んな画像あげてたからこっちにもあげとこ。twitter告知ばっかで申し訳ないけどこんだけ出させてもらってても、出始めの頃と変わらずひとつひとつ忘れずに告知したいって感じです🙏🏿 pic.twitter.com/Jmjo5aCZws
— みちょぱ(池田美優) (@michopaaaaa) August 16, 2019
すごくないですか。あんなに売れている今でも、テレビ出演の告知を自ら行っているのです。まだ20歳と若いのに、驕り高ぶることなく、地味な作業をコツコツと続けている。芸能界に出始めた頃の初心を忘れずに、丁寧なコミュニケーションに努めている。
変な話、ご本人ではなく、マネージャーやスタッフが代わって発信することもできます。あんなにテレビに出演していると、自由になる時間が少ないことは容易に想像がつく。
そんな状況にありながらも、こまめにTwitterで告知し続けているのです。しかも、自ら。そこには「効率」という発想はありません。なぜなら、SNSというのは、コミュニケーション・ツールだから。
もちろん、ひとつひとつの仕事を大切にしているプロとしての姿勢からの行動と考えることもできます。それは、Twitterで「出始めの頃と変わらずひとつひとつ忘れずに告知したい」とツイートしているとおり。
しかし、それ以上に、自身が発信しなければ意味がないことを十分に理解しているのでしょう。SNSが身近な年齢から、肌感覚で理解しているのかもしれません。いずれにせよ、Twitterがコミュニケーション・ツールであるからこそ、自分が話すことが自然だと捉えている。そう、ボクは感じました。
このように、コミュニケーションに話し手の都合だけの「効率」は不要。SNSというツールを用いたとしても、コミュニケーションを行うことが必要です。知人の会社のオジサンも、伝えたい相手にちゃんと向き合わないと。SNSを使いこなせないのが、オジサンだけではなく、その企業までだと思われたら、おしまいですから。