Business model

ネーミングは略語も意識すると社会現象になる

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

 ビジネスで大事な要素のひとつに、ネーミングがあります。あなたのビジネスのネーミングが、仕事や生活の中に溶け込むほどに使われるなら、それは大ヒットの証し。

 例えば、今夜の我が家の食卓の出来事。赤ワインを開けて口にしたら、想定していた以上に重くて驚きました。調べてみると、メルローを中心としながらも、カベルネ・ソーヴィニヨンも少し混ざったもの。どうりで、どっしりとした味わいなワケです。

 重い赤ワインを飲んだときに、ワインの世界では「フルボディだ」なんて表現をしたりしますよね。濃厚な感じや、渋みが強さ、アルコールの強さをこうして表します。

 しかし、今日のワインの表現は、いつもと違いました。それは、ラグビー。昨日の2019年10月20日、ラグビーワールドカップで、日本代表が決勝リーグに進んだものの、ベスト4には入れませんでした。この試合も含めて、日本中がラグビーに湧いた1ヶ月でした。

 ここまで日本中でラグビーが盛り上がると、普段の中にもラグビーの用語が使われます。で、今日の我が家の食卓の話に繋がってきます。思いがけずに重めのワインを飲んだ瞬間、ボクはこんな表現をしたのです。

「南アフリカのチームのように、モールでぐいぐい押してくる感じだね~」

 自分でこのセリフを話した瞬間、もうひとりの自分がラグビーの日常への浸透度の高さに気づきました。1ヶ月前には、こんな表現は決してしていなかったでしょう。それが今では、ラグビーの専門用語が普通に口に出てくるのです。

 例えば、ノックオンとか、ノーサイドとか、ハカとか。今年の8月まで、人生で口にしたことがなかったハズ。ユーミンのファンは別として。それにしても、松任谷由実サンは1984年に「ノーサイド」というタイトルの歌を作っているって、すごくないですか。

 このように、専門用語をはじめとした特定の言葉が普段の生活の中で使わるほどに浸透しているなら、それは多くの人に受け入れられている証拠。さらにいえば、略語になると、もう最強です。古くは「アムラー」ですし、最近では「タピる」なんてそう。

 これをもっと掘り下げると、略語まで意識したネーミングとしているかどうか。流行ることを想定したうえで、略語も準備しておくのです。

 この話で思い出すのは、中谷彰宏サンの代表的な著作『面接の達人』。就職するときの面接の攻略をロジカルに説いた本です。今でも改訂版が生まれ、転職バージョンも用意し、また、問題集も出るなど、依然として人気があります。

 ここまで人気の出た『面接の達人』は、略して「メンタツ」と呼ばれています。この略語が、周りが勝手に言い出したのではなく、中谷彰宏サンが仕掛けたものだと知ったら驚きませんか。

 実は、この本を初めて出版したときから、表紙に「MENTATSU」の文字を忍び込ませていたといいます。その時点から人気が出ると想定したうえで、略語まで考えていた。つまり、その略語まで考えながら書籍のタイトルを決定していたのです。すごいですよね、これ。

 だから、あなたが提供するビジネスについてネーミングを考えるときには、ネーミングだけではなく、その略語まで考えておくのが良い。しかも、その略語を最初から仕込んでおく。やがて浸透したときに、「タピる」のように略語で誰もが話し出す。これはもう、社会現象。

 あなたのビジネスが社会現象になったら、すごくないですか。ちなみに、最近では略語の他にも考慮しておく事項があります。ご興味のある方は、ボクにお声がけくださいませ。ネーミング・ワークショップをご提供いたしますよ。

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