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セミナー構成に困る状態から、絞り込みが大変な状態へ

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ボクがまだ、セミナーや研修の講師の駆け出しだった頃。どうやって構成を組み立てれば良いのか、さっぱりわかりませんでした。

 幸い、会計をテーマとした研修が多かったため、話すネタには困りません。会計処理の手順もあるため、話す順番もほぼ決まる。そのため、苦労は少ない方でした。

 ただ、2時間の講演やビジネス系のセミナーをしている人を見るたびに、「一体、どうやって構成を考えているのだろう」と不思議で仕方がありませんでした。しかも、話す内容は滝にわたっているものの、詰まることもなく、話の流れも極めて自然。それでいて、参加者の満足度も高い。

 こんな風になりたいと思ったため、そこから研究の日々が始まります。その後、セミナーとは別に、さまざまな知識や経験が増えていきます。セールスレターをから感情の導き方を学び、ディベートの方法論から論理を学び、また、映画の脚本術からストーリー展開を学びます。

 すると、あるとき、セールスレターとディベートと脚本術の3つに共通した構成を思いつきました。どれも違うものに見えて、実は同じ展開とできることに気づいたのです。ここで、コンテンツの作り方についての仮説を立てました。

 仮説を立てたのなら、あとは、その検証。あるとき、崇拝している人がオンラインの講座を無料で展開していたときのこと。2時間近くの動画について、スライドごとに内容と始まりの時間を記録してみました。

 その結果をみて、驚きました。ボクが立てた仮説どおりに、コンテンツが構成されていたのです。その後も、こうした動画を見ると、仮説を検証していきましたが、ボクの仮説どおりの展開でした。

 また、自身でセミナーや研修、あるいは執筆をするときにも、この仮説を使うことで、効果を検証していきました。従来よりもコンテンツを自然な流れで組み立てられるようになったことに加えて、参加者からの反応もより高まっていきます。あの頃に憧れていたセミナー講師に近づいていくのを実感したものです。

 そんなコンテンツ構成法について、今日、ボクが所属する事務所の後輩クンに伝授しました。というのも、来月の終わりに、クライアント向けに実施する勉強会を、その彼と一緒に行うからです。

 事前に、ボクのほうで考えておいた構成のうち、後輩クンが担当する箇所について、その概要と所要時間をメールで伝えていました。約50分程度の担当ではあるものの、まだ人前で話す経験が少ないため、心配していそうな感じでした。

 そこで今日、対面で、ボクのコンテンツ構成法を解説しながら、全体像と彼の担当部分の位置付けを教えていったワケで。正味2時間ちょっとの勉強会ではありますが、このコンテンツ構成法によれば、どんな内容をどれくらいの時間をかけて話せばよいかが明確になります。何も迷うことはありません。

 また、それぞれの内容に要する時間がわかれば、スライドの枚数も見えてきます。仮にある内容に30分をかけるとすると、スライド1枚当たり2、3分とすると、10枚程度。これでも少ないと感じる人もいるでしょう。

 しかも、ボクは、その内容を伝えるために、前半と後半とにわけて考えることが多い。すると、それぞれのスライドは、5枚程度しか使えない。あまり詰め込めないことがよく分かります。

 後輩クンに割り当てられた時間は、約50分。今日の説明を聞くまでは、持ち時間が長すぎて持て余すと感じていたところ、実はあまり時間がないことを実感できたようです。何を話せば良いかという状態から、どれに絞り込むべきかという状態にシフトできました。1時間もしない間に、どのネタを捨てるべきかという観点に切り替わったのです。

 今回は、ボクのほうで作ったものを説明しただけのため、後輩クンが一人で作れるようには至っていません。ただ、セミナーを予定している人が、ボクのファシリテーションによって自身でコンテンツ構成法に基づけば、感覚はつかめそうな感触を得ました。

 あとは、講座として作り上げるかどうか。オンライン講座として、どこかにアップしてみるのも面白そう。おっと、その前に、来月の勉強会のボクの担当分を仕上げないと。

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