FSFD

リスク管理の情報源として活用したい「グローバルリスク報告書」

(記事にはプロモーションが含まれることがあります。) 

サステナビリティに関する対応や開示をより的確に行うためには、関連するリスクを適切に識別する必要があります。

もちろん、企業は中長期経営計画を策定するために、3年や5年程度の時間軸でリスクを識別していることでしょう。しかし、それでは、気候変動のように10年以上の時間軸で考えるべきリスクが見逃される可能性があります。

ここで役立つのは、世界経済フォーラムが発表する「グローバルリスク報告書」です。世界経済フォーラムとは、官民協力のための国際機関です。スイスのダボスで開催される世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、世界、地域、産業の議題を形成しています。

このダボス会議の開催前に公表される資料が、「グローバルリスク報告書」です。グローバルリスクとは、それが発生した場合に、世界のGDP、人口、天然資源に大きな悪影響を及ぼす事象や状態です。この調査にあたっては、学術界、企業、政府、国際社会、市民社会にわたる1,000人以上の専門家に対して、グローバルリスクの認識状況を質問しています。

グローバルリスク報告書は、毎年1月に発表されています。2024年1月に最新の報告書が公表されたことから、今回の特別記事では、グローバルリスク報告書を活用したリスク識別の方法について、その一例を解説していきます。

 

「時点」にこだわった後発事象の解説で、新しい四半期開示に備える前のページ

不正調査報告書から対応に直結させるA4一枚まとめ術次のページ

関連記事

  1. FSFD

    サステナビリティ開示の実践ワークショップ、SASB活用の秘訣を解説

    SSBJ基準の公開草案がリリースされたことを受け、企業はサステナビリ…

  2. FSFD

    リスク軽減活動がサステナビリティ関連リスクの識別に与える影響

    サステナビリティ開示において、最も難しい課題の一つは将来の不確実性を…

  3. FSFD

    米国サステナビリティの二幕劇:政治はブレーキ、経済はアクセル全開

    アメリカのサステナビリティ政策は今、奇妙なねじれ現象の中にあります。…

  4. FSFD

    1つの単語が変える日本企業の未来:サステナビリティ開示基準の隠れた論点

    2024年3月29日、SSBJはサステナビリティ開示基準の公開草案を…

  5. FSFD

    TCFDのファイナル・レポートに触れていないこと

    2023年10月12日、TCFDが最後のステータスレポートを公表しま…

  6. FSFD

    対応実務の一歩を踏み出す、ISSB基準の解説セミナー

    ブログ記事のトップに掲載しているのは、セミナーのスライド一覧です。そ…

  1. Accounting

    ESG情報の重要性が理解できる研修を受けました
  2. Accounting

    有報の役員報酬の開示はストーリーを語れ
  3. Accounting

    我は褒められて「喜ぶ」
  4. Accounting

    書き初めで、物語を描く
  5. Accounting

    なんだったんだ、収益認識の5ステップ
PAGE TOP